「ウミガメって何類なの?」そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ウミガメは爬虫類(はちゅうるい)に分類される海洋性の動物です。
この記事では、ウミガメの詳しい分類から特徴まで、わかりやすく解説いたします。
ウミガメは「爬虫類」です!
基本的な分類
ウミガメは脊椎動物門・爬虫綱・カメ目・ウミガメ上科に分類される爬虫類です。
詳しい分類は以下の通りです:
- 界: 動物界(Animalia)
- 門: 脊椎動物門(Vertebrata)
- 綱: 爬虫綱(Reptilia)
- 目: カメ目(Testudines)
- 上科: ウミガメ上科(Chelonioidea)
- 科: ウミガメ科・オサガメ科
「え、魚じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ウミガメは実に爬虫類なんです!
爬虫類の特徴とウミガメ
爬虫類の主な特徴
爬虫類の基本的な特徴は以下の通りです:
- 肺呼吸をする(エラ呼吸ではない)
- 変温動物(周囲の温度に体温が影響される)
- うろこで体が覆われている
- 卵を産む(卵生)
- 乾燥した場所で繁殖できる
ウミガメが爬虫類である証拠
ウミガメも立派な爬虫類で、上記の特徴をすべて満たしています:
- 肺呼吸: 息継ぎのため定期的に海面に浮上
- 変温動物: 体温調節のため日光浴をすることがある
- うろこ: 甲羅や皮膚が角質化したうろこで覆われている
- 卵生: 砂浜に上陸して卵を産む
- 乾燥地での繁殖: 砂浜という乾燥した環境で産卵
現生のウミガメは全7種
ウミガメ科(6種)
ウミガメ科には6種が含まれます:
- アカウミガメ(甲長70~100cm)
- アオウミガメ(甲長80~120cm)
- タイマイ(甲長50~120cm)
- ヒメウミガメ(甲長50~70cm)
- ケンプヒメウミガメ(甲長60cm前後)
- ヒラタウミガメ(甲長80~95cm)
オサガメ科(1種)
オサガメ科には1種のみ:
- オサガメ(甲長120~190cm、最大級のウミガメ)
日本で見られるのは主にアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種です!

ウミガメの進化と歴史
カメ類の起源
カメ目は約2億1000万年前(中生代三畳紀後期)に出現した古い爬虫類グループです。
ウミガメの祖先は約1億年前に海洋への適応を始めました。
化石記録
- 最古のカメ類: 約2億2000万年前のプロガノケリス
- 古代の巨大ウミガメ: アルケロン(甲長4m)
- 現在の最大種: オサガメ(甲長最大190cm)
すべてのカメが爬虫類です!
ウミガメだけじゃない – カメはみんな爬虫類
「ウミガメが爬虫類なら、普通の小さいカメはどうなの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。答えは、すべてのカメが爬虫類です!
カメ目(Testudines)に分類される生き物は、生息環境に関係なくすべて爬虫綱に属します:
- ウミガメ → 爬虫類
- リクガメ → 爬虫類
- イシガメ(川や池の小さなカメ) → 爬虫類
- ミドリガメ → 爬虫類
- スッポン → 爬虫類
生息環境による分類
カメは生息環境によって大きく3つに分けられますが、すべて爬虫類です:
1. 海洋性(ウミガメ類)
- アカウミガメ、アオウミガメ、オサガメなど
- 一生のほとんどを海で過ごす
2. 陸生(リクガメ類)
- ヘルマンリクガメ、ロシアリクガメなど
- 完全に陸上で生活
3. 淡水性・半水生
- イシガメ: 日本の川や池にいる在来種
- クサガメ: 池や沼でよく見かける
- ミドリガメ(アカミミガメ): ペットショップでおなじみ
身近にいる小さなカメも、雄大なウミガメも、みんな同じ爬虫類の仲間なんです!
共通する爬虫類の特徴
大きさや住む場所に関係なく、すべてのカメが持つ爬虫類の特徴:
- 肺呼吸をする(水中のカメも息継ぎが必要)
- 変温動物(日光浴をして体温調節)
- うろこや甲板で体が覆われている
- 卵を産む(すべて卵生)
- 乾燥した場所で繁殖できる
他の爬虫類との違い
カメ目の特殊性
カメ目は爬虫類の中でも特異な存在です:
- 甲羅という独特の構造を持つ
- 現生爬虫類4目の一つ(他は有鱗目、ワニ目、ムカシトカゲ目)
- 歯がない(角質化した嘴を持つ)
系統関係
最新の分子系統学的研究によれば、カメ類は主竜類(ワニ・鳥類)に近縁とされています。
海洋適応の特徴
海での生活に特化した身体
ウミガメが海洋生活に適応した特徴:
- ヒレ状の四肢: 泳ぎに最適化された前脚
- 流線型の甲羅: 水の抵抗を減らす形状
- 塩類腺: 体内の塩分濃度を調節する器官
- 優れた潜水能力: 最大3~5時間の潜水が可能
陸上のカメとの違い
特徴 | ウミガメ | 陸上のカメ |
---|---|---|
四肢 | ヒレ状 | 指がある |
甲羅 | 平たく流線型 | ドーム型 |
首の収納 | できない | できる |
生息環境 | 海洋 | 陸上・淡水 |
ウミガメは速く泳ぐことを選んだため、防御力は犠牲になったんですね!
日本で見られるウミガメ

産卵する3種
日本の砂浜で産卵するウミガメ:
- アカウミガメ: 本州~九州の太平洋沿岸
- アオウミガメ: 小笠原諸島、沖縄、屋久島
- タイマイ: 琉球列島
観察できる場所
- 産卵観察: 5~8月の夜間(各地でガイドツアーあり)
- 水族館: 全国の水族館で年間を通して観察可能
- ダイビング: 沖縄や小笠原での遭遇率が高い
保護の現状

絶滅危惧種の詳細
世界の7種のうち6種が絶滅危惧種に指定されています:
絶滅危惧種(6種)
最も危険(深刻な危機 CR):
- タイマイ:深刻な危機(CR)
- ケンプヒメウミガメ:深刻な危機(CR)
- オサガメ:深刻な危機(CR)- 特に太平洋では深刻な状況
危険(危急・絶滅危惧):
- アカウミガメ:危急(VU)
- アオウミガメ:絶滅危惧(EN)
- ヒメウミガメ:危急(VU)
情報不足(1種)
- ヒラタウミガメ:データ不足(DD)- 研究データが不十分
タイマイ、ケンプヒメウミガメ、オサガメが最も危険な状況で、オサガメは太平洋では数十年以内に絶滅する可能性があると専門家は警告しています。
主な脅威
- 生息地の破壊: 産卵地である砂浜の開発
- 海洋汚染: プラスチックごみの誤食
- 混獲: 漁業による偶発的な捕獲
- 気候変動: 産卵地の環境変化
- 密猟: 卵の採取や甲羅目的の捕獲

ウミガメの生態学的意義
海洋生態系での役割
ウミガメは海洋生態系の要となる存在です:
- 海草食: アオウミガメが海藻を食べることでサンゴ礁の健康維持
- 栄養循環: 深海と浅海を移動することで栄養の運搬
- 生物多様性: 甲羅に付着する生物の生息場所提供
よくある質問
Q: ウミガメはなぜ涙を流すの?
A: 体内の塩分を排出するためです。感情的な涙ではなく、塩類腺という器官から過剰な塩分を除去する生理現象です。
Q: ウミガメの寿命は?
A: 種類によって異なりますが、50年以上、中には100年以上生きる個体も確認されています。まさに「亀は万年」ですね!
Q: なぜウミガメだけ海で生活するの?
A: 約1億年前に海洋への適応を選んだからです。豊富な餌と広い生息空間を求めて進化した結果と考えられています。
Q: 池にいる小さなカメも爬虫類?
A: はい、すべてのカメは爬虫類です! イシガメやミドリガメなど、身近な淡水のカメも立派な爬虫綱カメ目の一員です。

まとめ
ウミガメは確実に爬虫類であり、カメ目という古い系統に属する海洋適応した動物です。
現在世界に7種が生息していますが、そのほとんどが絶滅の危機に瀕しています。
重要なポイント:
- ウミガメは爬虫綱カメ目に分類される
- 肺呼吸をする変温動物
- 約1億年前から海洋に適応
- 現生種は7種(6種が絶滅危惧)
- 日本では3種が産卵
私たちにできることは、プラスチックごみの削減や産卵地の保護など、ウミガメが安心して暮らせる環境づくりです。この美しい海の住人を未来に残すため、一人ひとりが意識を持つことが大切です。

