先週は「制度が変わる時」と「命がつながる時」が同時に動いた一週間でした。
海の向こうでは絶滅危惧種を守る法律が大きく後退した一方、絶滅の淵にいたクジラには明るい兆しが。
国内では夏のクマ出没、ペットの世界では糖尿病治療の指針更新と、規模の違うニュースが並びます。
米国、絶滅危惧種の生息地保護ルールを撤廃
米内務省が2026年7月10日、絶滅危惧種法における「harm(危害)」の定義から生息地の破壊・改変を除外する規則を確定しました。1981年から続いてきた解釈の転換で、今後は営巣地や生息環境そのものを壊しても法律上は違法とみなされない可能性があります。開発や採掘、農地転用への道が開かれるとして環境保護団体が強く反発しています。 出典:CNN(米国・英語) https://www.cnn.com/2026/07/10/climate/trump-endangered-species-habitats-rule-change

動物の住処を壊しても「危害」にならないなんて、言葉の定義ひとつで守られる命が変わってしまうんだなと考えさせられました。
タイセイヨウセミクジラの赤ちゃん、23頭確認
絶滅危惧種であるタイセイヨウセミクジラの2025〜2026年の出産シーズンで、23頭の子クジラが確認されました。2009年以来最多の数字です。出産間隔が短くなっている母クジラも多く、個体群の回復に向けた明るい兆候として専門家が注目しています。現存する繁殖可能なメスは70頭ほどとされ、楽観はできないものの久しぶりの朗報です。
出典:NOAA Fisheries(米国・英語) https://www.fisheries.noaa.gov/feature-story/numbers-2026-north-atlantic-right-whale-calving-season
動物倫理ライター・めあり残り70頭ほどの母クジラから23頭も生まれたと聞くと、それだけで少しほっとします。まだまだ気は抜けないとはおもいますが。
ドイツ、動物実験を分離する新法案に懸念の声
ドイツ政府が動物実験を既存の動物保護法から切り離して規制する新法を検討していることが分かり、動物福祉団体が保護水準の後退につながると懸念を表明しています。同時期に発表された世論調査では、回答者の約68%が動物実験の段階的廃止を、約8割が代替法への投資拡大を支持するという結果も出ており、世論と政策の間にずれがあることが浮き彫りになりました。
出典:Humane World for Animals(ドイツ/米国・英語) https://www.humaneworld.org/en/news/animal-welfare-barometer-2026-germany

市民の8割が望んでいることと政治の動きが逆方向というのは、他人事じゃない気がします。
夏本番、クマの出没が全国で相次ぐ
7月に入り、日本各地でクマの目撃・出没情報が増えています。7日には東京都檜原村の登山道でクマに遭遇した男性が転落し負傷する事故も発生しました。専門家は、夏は山の食料が少なくクマの行動範囲が広がりやすい時期であり、餌が減る秋以降さらに人里への出没が増える可能性があると注意を呼びかけています。
出典:J-CASTニュース(日本・日本語) https://www.j-cast.com/2026/07/09516180.html
動物倫理ライター・めあり登山やハイキングが楽しい季節ですが、クマにとっても人間にとっても命がけの遭遇にならないよう気をつけたいですね。
猫の糖尿病治療、新薬を第一選択とする指針が広がる
獣医療の分野で、猫の糖尿病治療においてSGLT2阻害薬を第一選択とする新しいガイドラインの採用が進んでいます。インスリン注射に頼らない治療選択肢として注目され、7月に米国で開催された獣医学会の年次大会でも、食事管理や血中ケトン体モニタリングと組み合わせた最新の管理法が紹介されました。
出典:AVMA(米国獣医師会)関連報道(米国・英語) https://www.avma.org/news

注射が苦手な猫ちゃんも多いので、飲み薬中心の治療が広がるのはうれしい変化だと思います。






