【神の使い 動物 一覧】 意味を知れば神社参拝がもっと楽しくなる!
神社にお参りに行った時、境内で見かける動物たち。狛犬や狐、鳩など、様々な動物がいますが、それらの動物たちはただ置かれているのではありません。
実は、神様の使い、あるいは神様そのものとして、古くから大切にされてきたのです。
この記事では、そんな「神の使い」とされる動物たちを、一覧でご紹介します。
日本の神様と深く結びついた動物たちの姿を通して、古来より受け継がれてきた日本人の自然観や信仰心に触れてみましょう。
神使と呼ばれる動物たちの役割や、それぞれの動物にまつわる神話、そして海外の神の使いについても解説します。
神の使い 動物 一覧|神様と繋がる動物たち
神の使いとされる動物は?
神の使いとされる動物とは、神道において神の意志や神聖さを象徴し、人間と神を繋ぐ役割を 持つ 存在です。
これらの動物は「神使(しんし)」と呼ばれ、狐や猿、鹿、牛などが特定の神や信仰と結びつき、神社の信仰で重要な位置を占めてきました。
例えば、稲荷神社の狐は五穀豊穣の神・稲荷神の使いとされ、人々の願いを叶える霊力があると信じられています。
神使の背景には、日本神話や 昔からの言い伝え で、神々が動物を通して意志を伝えたり、動物に力を託す話が多く残されていることが影響しています。
日本人は古くから自然崇拝の精神を持ち、動植物に霊的な存在を見いだし、神の使いとして崇拝してきました。
この信仰は地域の文化や神社の伝統に根付き、神使とされる動物が特定の神社で固定化され、信仰の対象として広がっています。
神道では、すべてのものに神が宿るとされ、特に動物は神の使いとして特別な存在と見なされてきました。
神使は神のメッセージを伝えたり、人々を見守ったりする存在とされ、人々にとって身近で神聖な存在となっています。
日本の神社で見られる神の使い
日本の神社では、様々な動物たちが神の使いとして大切にされています。
彼らは単なる動物ではなく、神様の意志を伝えたり、私たちを守ってくれる存在と考えられているのです。
例えば、学問の神様・菅原道真を祀る天満宮では、牛が神の使いとされています。
道真公が丑年生まれだったことに由来し、牛の像を撫でると病気が治るとも言われています。
他にも、稲荷神社の狐、日吉大社の猿、春日大社の鹿など、様々な動物たちがそれぞれの神社で特別な意味を持っています。
これらの動物たちは、神社の歴史や神話と深く結びつき、人々の信仰を集めてきました。
神の使い 動物 一覧
神の使い 動物 一覧
神の使いには、一体どんな動物がいるのでしょうか?ここでは、代表的な動物たちを、彼らが仕える神様と一緒にご紹介します。
神の使い|哺乳類(ほにゅうるい)
私たち人間と同じ哺乳類の仲間たちも、神の使いとして活躍しています。
- 狐:稲荷神社 (全国各地) では、たくさんの狐の像を見かけますね。 彼らは神聖な存在として扱われています。 狐は、その賢いイメージから、神様のメッセージを伝える役割を担うと考えられています。 また、稲荷神は五穀豊穣の神様であることから、農業とも深い関わりがあり、田畑を荒らすネズミを退治してくれる狐は、農家の人々にとって大切な存在でした。
- 鹿:春日大社 (奈良県) や 鹿島神宮(茨城県) では、鹿は神聖な動物として大切にされ、神の使いとして信仰されています。 春日大社は武甕槌命(たけみかづちのみこと)という武神を祀っており、鹿はその武神が乗る動物、あるいは神聖な場所を示す案内役として、古くから信仰されてきました。 鹿島神宮でも、武甕槌命が白鹿に乗って鹿島神宮に降臨したという伝説があり、鹿は神聖な動物として崇められています。 現在も、春日大社の境内や奈良公園では、多くの鹿が自由に暮らしています。 これらの鹿は、春日大社の神使の子孫であり、神聖な森の守り神として崇敬されています。
- 猿:日吉大社 (滋賀県) の猿は、山の守り神。 どこか人間っぽい仕草に、神秘的なものを感じます。 猿は、その知能の高さや社会性から、人間に近い存在として認識されてきました。 日吉大社では、猿は神の使いとしてだけでなく、魔除けや厄除けの力を持つとも信じられています。
- 狼:かつては日本の山々に暮らしていた狼。 今では絶滅してしまいましたが、武蔵御嶽神社 (東京都) などでは、今も神の使いとして信仰されています。 狼は、その勇敢さや群れで協力して狩りをする習性から、山の守り神、あるいは集落の守護神として崇められてきました。 また、狼は子どもを大切に育てることから、子育ての神様としても信仰されています。
- 猪:護王神社 (京都府) の使いである猪は、勇猛な動物として知られています。 護王神社は、平安時代の貴族・和気清麻呂(わけのきよまろ)を祀る神社です。 道鏡(どうきょう)事件で宇佐八幡宮へ神託を仰ぎに行く途中に、刺客に襲われた清麻呂を300頭の猪が守ったという伝説から、猪は護王神社の神使とされています。 猪は、その力強さや生命力から、山の神様、あるいは田畑を守る神様として信仰されてきました。また、猪は多産であることから、子宝や安産のシンボルとしても崇められています。
- 牛:天満宮 (全国各地) の使い。 学問成就や病気平癒にご利益があるそうです。 天満宮は、学問の神様として有名な菅原道真公を祀る神社です。 道真公が丑年生まれであったことや、牛が農耕に欠かせない存在であったことから、牛は天満宮の神使として大切にされています。
- 鼠:大黒天の使い。豊穣と財運をもたらすと言われています。 大黒天は、ヒンドゥー教のシヴァ神と習合した神様で、日本では七福神の一人として広く知られています。
神の使い|鳥類(ちょうるい)
空を自由に飛ぶ鳥たちも、神の使いとして、天と地を繋ぐ役割を担っています。
- 烏(からす):熊野三山 (和歌山県) の使い。 熊野三山は、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三つの神社の総称で、熊野権現という神様を祀っています。この熊野権現の使いとして、烏は神聖な鳥とされています。 神話では、神武天皇が東征する際に、八咫烏(やたがらす)という三本足の烏が道案内をしたという伝説が残っています。 八咫烏は熊野権現と同一視されることもあり、熊野三山では神聖な存在として信仰されています。 烏は、その黒い羽根や鳴き声から、死や不吉な出来事と結びつけられることもありますが、神道では太陽の化身、あるいは神様のメッセージを伝える使者として、神聖な鳥とされています。
- 鶴:諏訪大社 (長野県) の使い。 鶴は、その優雅な姿や鳴き声から、古くから神聖な鳥として崇められてきました。 長生きの象徴として、縁起の良い鳥とされ、夫婦仲が良いことでも知られています。 そのため、夫婦円満や長寿の象徴として、婚礼の場などでもよく用いられます。 諏訪大社の使いであり、武神である建御名方神(たけみなかたのかみ)を祀るこの神社では、鶴は神の使いとして、そして夫婦円満や子宝を願う人々からも信仰されています。
- 鳩:八幡宮 (全国各地) の使い。 鳩は、その白い羽根や穏やかな性格から、平和や愛の象徴として、世界中の様々な文化で大切にされてきました。 八幡宮の使いとされ、武神である応神天皇を祀るこの神社では、鳩は神の使いとしてだけでなく、平和の使者、そして武運長久や勝利を祈願する際にも重要な役割を担っています。
- 鶏:伊勢神宮 (三重県) の使い。夜明けを告げる鳥として、太陽の到来を知らせてくれます。鶏は、その鳴き声で夜明けを告げることから、太陽の化身、あるいは神様の使いとして信仰されてきました。伊勢神宮では、鶏は天照大神(あまてらすおおみかみ)という太陽の神様の使いとされ、神聖な鳥として大切にされています。 鶏は伊勢神宮だけでなく、石上神宮 (奈良県天理市) でも神聖な存在として扱われています。 日本最古の神社の一つである石上神宮では、鶏が神使として崇められています。 境内には、約30羽の鶏が放し飼いにされており、参拝者を出迎えてくれます。 石上神宮で鶏が神使とされるようになったのは、鶏が夜明けを告げることから、神聖な時間や場所を知らせる役割を担うと考えられていたためです。 また、鶏は魔除けの力を持つとも信じられており、神社の守護神としての役割も担っています。
- 鶺鴒(せきれい):出雲大社 (島根県) の使い。鶺鴒は夫婦仲が良いことから、縁結びや夫婦円満の象徴として信仰されています。
神の使い|爬虫類(はちゅうるい)
少し怖いイメージもある爬虫類ですが、彼らもまた、神秘的な力を持つ神の使いとして信仰されています。
- 蛇:大神神社 (奈良県) や弁才天の使いとして、水や財宝の神様としても信仰されています。 脱皮を繰り返すことから、再生や不死の象徴とされています。 蛇は、その長い体や脱皮を繰り返すことから、生命力や再生の象徴として、世界中の様々な文化で信仰されてきました。日本では、水神や農耕神としての信仰も強く、田畑を潤す水や豊作をもたらす存在として崇められています。
- 白蛇:諏訪神社 (全国各地) の使い。 白蛇は特に神聖な蛇とされ、幸運の象徴として古くから信仰されています。 白蛇は、その希少性や美しい姿から、神聖な存在、あるいは神の化身として崇められてきました。 また、白蛇は財運や金運をもたらすとも信じられており、商売繁盛を願う人々から篤い信仰を集めています。
- 海蛇:出雲大社 (島根県) の使い。海蛇は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が出雲に国造りをした際に、海から現れて手助けをしたという神話に由来します
このように、様々な動物たちが神の使いとして、私たちの世界と神様の国を繋いでくれているんですね。
死神の使い 動物
日本では、死神の使いとして特定の動物が信仰されているわけではありません。
しかし、西洋では、死神の使いとして、以下のような動物が挙げられます。
- カラス:黒色が死を連想させること、死肉を食べる習性があることから、不吉な鳥として、死神の使いとされることがあります。
- フクロウ:夜行性で、暗い場所に生息すること、不気味な鳴き声を持つことから、死を連想させる鳥として、死神の使いとされることがあります。
- 黒猫:黒色が死を連想させること、夜行性であることから、不吉な動物として、死神の使いとされることがあります。
これらの動物は、いずれも死を連想させるような特徴を持っていることから、死神の使いとされるようになったと考えられます。
神の使い 動物 海外
海外にも、神様の使いと考えられている動物はたくさんいます。ここでは、その一部をご紹介します。
エジプト神話
- 猫:女神バステトの化身として崇拝されていました。バステトは、家庭や愛、喜び、音楽、踊りなどを司る女神です。 猫は、その神秘的な雰囲気や優れた狩りの能力から、神聖な動物として大切にされていました。
- ジャッカル:アヌビス神の象徴です。アヌビスは、死者の神であり、ミイラ作りの神でもあります。ジャッカルは、その死肉を食べる習性から、死と結び付けられ、アヌビスの象徴となりました。
ギリシャ神話
- フクロウ:知恵の女神アテナの使いです。フクロウは、その夜行性で優れた視力を持つことから、知恵や洞察力の象徴とされています。
- 鷲(わし):最高神ゼウスの使いです。鷲は、その力強く空高く飛ぶ姿から、王権や権力の象徴とされています。
- 蛇:医療の神アスクレピオスの使いです。蛇は、脱皮を繰り返すことから、再生や不死の象徴とされています。
ヒンドゥー教
- 牛:聖なる動物として崇拝されています。牛は、その乳や労働力など、人間に多くの恵みをもたらすことから、神聖視されています。
- 猿:ハヌマーン神の化身です。ハヌマーンは、猿の姿をした神様で、力強さや忠誠心の象徴とされています。
- 象:ガネーシャ神の乗り物です。ガネーシャは、障害を取り除く神様であり、知恵や成功の神様でもあります。
このように、海外にも神の使いとして祀られる動物は数多く存在し、それぞれの地域や宗教の信仰と結びついています。
例えば、古代エジプトでは、猫が神の使いとして神聖視されてきました。
猫はバステト神の象徴であり、バステトは家庭の守護神、穏やかさや豊穣を象徴する女神です。
猫は、古代エジプトで家庭や神殿で大切にされ、バステト神の使いとして神聖な存在とされていました。
また、インドでは象が神聖視され、特にヒンドゥー教においてガネーシャ神の象徴として知られています。
ガネーシャは知恵と繁栄の神であり、象の頭を持つ姿で描かれることから、象が神聖な使者として多くの人々に信仰されています。
ガネーシャに捧げられた神殿では象が儀式や行事に参加することもあり、象が神の意志を表す存在として広く尊敬されています。
日本 神獣 一覧
神獣とは、神霊の宿る獣、あるいは神の使いとされる獣のことです。
- 龍(りゅう):中国から伝わった想像上の生き物で、水や雨を司る神様として信仰されています。神社の彫刻や絵画によく描かれています。
- 麒麟(きりん):中国から伝わった想像上の生き物で、聖人の出現を告げる縁起の良い生き物とされています。
- 鳳凰(ほうおう):中国から伝わった想像上の生き物で、平和や幸福をもたらす縁起の良い生き物とされています。
- 白虎(びゃっこ):四神の一つで、西の方角を守護する神様とされています。
- 玄武(げんぶ):四神の一つで、北の方角を守護する神様とされています。
神使と神獣の違い
神使と神獣は、どちらも神様と関係の深い動物ですが、その役割や意味合いには違いがあります。
- 神使(しんし):特定の神様の使いとして、神様のメッセージを伝えたり、神様の代わりに人間を見守ったりする役割を担います。
- 神獣(しんじゅう):神霊が宿る獣、あるいは神の使いとされる獣で、その多くは想像上の生き物です。 神獣は、神様の力を象徴したり、縁起の良い生き物として信仰されたりします。
このように、神使と神獣は、それぞれ異なる役割や意味合いを持っています。
神の使い 動物 一覧:まとめ
- 神使とは、神道において神の使者もしくは神の眷族とされる動物のことである
- 神使は、神の意志を伝えたり、人間を守護したりする存在と考えられている
- 狐は稲荷神社の使いであり、商売繁盛や五穀豊穣の神様である稲荷神のお使いである
- 鹿は春日大社の使いであり、武神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)の乗り物として信仰されている
- 猿は日吉大社の使いであり、山の守り神として信仰されている
- 蛇は弁才天の使いであり、水の神様や財宝の神様としても信仰されている
- 猪は護王神社の使いであり、和気清麻呂(わけのきよまろ)を守護した動物として伝えられている
- 烏は熊野三山の使いであり、熊野権現という神様の使いである
- 鶴は諏訪大社の使いであり、長寿の象徴として、縁起の良い鳥とされている
- 鳩は八幡宮の使いであり、平和の象徴として信仰されている
- 鶏は伊勢神宮の使いであり、夜明けを告げる鳥として、太陽の到来を知らせる存在として信仰されている
- 海外にも、神様の使いと考えられている動物はたくさんおり、エジプト神話やギリシャ神話、ヒンドゥー教など、様々な文化圏で動物が信仰されている
- 神獣とは、神霊の宿る獣、あるいは神の使いとされる獣のことである
- 龍や麒麟、鳳凰、白虎、玄武などは、いずれも神獣として信仰されている
- 神使と神獣は、どちらも神様と関係の深い動物であるが、役割や意味合いには違いがある
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